シャトー・シャス・スプリーンはかつて南欧を旅して回り、革命運動を支援していたバイロン卿が「スプリーン(憂い)をシャスする(追い払う)ことにかけては、このワインに並ぶものがない」と賛辞を送ったことがシャトー名の由来になっています。第一次世界大戦後の1922年に営林・農業事業で成功を収めたラーリー家が所有し、その後は1976年にワインの卸商であるジャック・メルロ氏が所有。現在はその孫娘のセリーヌ・ヴィラール氏が受け継いでいます。また漫画『神の雫』の第7巻ではシャトー・シャス・スプリーンの1970年産が登場し、憂いを追い払うという意味合いで「哀しいことなんか忘れちゃいなよ」というセリフも登場しました。ワインは黒みを帯びたレンガ色で、カシスやブルーベリーの果実由来の香りに加え、干し草やタバコのような熟成感溢れる香リも広がります。熟成を経てタンニンもワインに溶け込んでおり、渋味は少なめです。軽めの口当たりの後に味わいが徐々に広がり、余韻は長く続きます。