ワインの試飲会でのマナー

ここではワインの試飲会に臨むにあたってのマナーや注意点について述べたいと思います。
初めて試飲会に臨む方はぜひ参考にしてください。

Ⅰ.事前準備編

1.体のコンディションを整えておく

ワインを評価するためには、色合い、香り、味わい、余韻などの様々な要素を感じ取る必要があります。試飲会の当日は体のコンディション、中でも視覚(目)、嗅覚(鼻)、味覚(口・喉)は最良の状態にしておきましょう。

なお、最良の状態にするためには、前日・当日の食事内容に気を配ることが重要です。刺激の強い食べ物(唐辛子など)、臭いの残る食べ物(ニンニクなど)は控えるようにしましょう。
 

2.香水・コロンは身につけない

香水・コロンなどの香りを発するものを身につけると、香りの評価に影響してしまいます。またご自身だけではなく、他のお客様の迷惑にもなりますので、控えるようにしましょう。

ワインの試飲会はホテルで開催されることが多く、オシャレが必要というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもその必要はありませんのでご安心下さい。
 

3.両手が使えるようなカバンをセレクトする

試飲会ではワイングラス、ワインリスト、料理(皿)など、手を使って何かを持つ場面が多くあります。
会場がホテルであればクロークに荷物を預けることができる場合が大半ですが、会場がホテルではない場合は、できるだけ両手が使えるようなカバン(ショルダーバッグ・リュックサックなど)で臨むのがよいでしょう。
 

4.車で来場しない&未成年者と来場しない

飲酒運転・未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
ホテルによっては最寄駅からバスが運行されている場合がありますので、事前に交通手段を確認しておきましょう。
また未成年者(お子様も含む)との来場も控えるようにしましょう。
 

Ⅱ.会場内編

1.積極的にオススメのワインを聞く

試飲会では各インポーター(=ワインの輸入業者)のブースに厳選されたワインが並べられています。
ワインの初心者の方は「ラベルのデザインが良いワイン=美味しい」、「価格が高いワイン=美味しい」と判断される方が多いですが、必ずしもそういう訳ではありません。ブースには担当のアドバイザーがいますので、飲んでみたいワインの特徴(赤か白か、軽めか重めか)だけでも伝えれば、希望に合ったオススメのワインをセレクトしてくれます。

ワインは世界各国の生産者が丹精込めて1本1本を造り上げています。
セレクトされたワインの背景を積極的に聞くことで、ワインの世界が大きく広がることでしょう。
 

2.同じブースに長く居座らない

参加者が自由にブースを回り、インポーターとの会話を通して、世界各国のワインを知ることが試飲会の醍醐味であり魅力と考えています。
このため、同じブースに長く居座って、インポーターの担当を専有することは、他のお客様に対して失礼にあたりますので、随時背後に待ち行列ができていないか気を配りましょう。もし背後に待ち行列ができてしまった場合は、一旦ブースを離れて、ブースに空きができた時間に再度訪れればOKです。
 

3.試飲=飲み放題ではない

ワインの試飲会は「飲み放題の居酒屋」ではありません。
フリーテイスティングだからと言って飲みすぎて場の雰囲気を乱すことは、主催者やインポーター、他のお客様に対して失礼にあたります。

なお、試飲会では吐器を使うことは失礼にはあたりません。お酒に弱い方や酔っぱらってきたと感じた方は、必ず吐器を使用して自分自身をコントロールするようにしてください。
試飲会には万全の体調と節度をもって臨むようにしましょう。
 

4.ワイングラスは1脚のみ使用する

試飲会にもよりますが、試飲会で使用するワイングラスは入場時に1脚のみ渡されるケースが多いと思います。
会場内にグラスを洗浄するための水が入ったタンクが設置されていますので、洗って再利用するようにしましょう。

試飲会会場がホテルの場合は、大量のグラスが用意されていることがありますが、ワインを飲む度にグラスを交換するのはNGです。数多くの試飲を重ねると、グラスを洗浄しても香りが取れにくくなりますので、この場合にのみ交換するようにしましょう。
 

5.スパークリング→白ワイン→赤ワインの順で試飲する

試飲を重ねると、どうしても体のコンディションは衰えてきます。
赤ワインを試飲した後に白ワインを試飲しても、本来の白ワインのポテンシャルを感じ取ることができません。

1つのブースには赤・白・スパークリングといった様々な種類のワインが用意されています。
これらのラインナップを見ると誘惑されると思いますが、より多くの試飲をしたいとお考えの方には、香りの弱い&タンニンの少ないワイン→強いワインの順、つまりスパークリング→白ワイン→赤ワインの順で試飲するのが良いでしょう。
※ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパートといった資格の取得を目指されている方や、プロの方であればブドウの品種・生産国まで意識しましょう。同じ赤ワインでもフランスのピノ・ノワールと、アメリカのジンファンデルでは大きく異なります。

ブースの行き来は自由ですので、極力上記の順で試飲することをお勧めいたします。
 

6.有料試飲のタイミングは担当者に確認して判断する

試飲会によっては、普段手が出せないような格付けワイン・高級ワインなどを、有料試飲として試飲できる場合があります。
個人的には自身の体のコンディションが一番良い状態で有料試飲をした方が、よりワインの香り、味わい、余韻を感じ取ることができると考えていますので、他のワインを試飲する前(=一番初め)に試飲するようにしています。

ただし、ワイン自体のコンディションが整っていない場合があります。
例えばイベントの開会直後など、抜栓してから間もない場合は、ワインが開き切っておらずポテンシャルが発揮できていない可能性があります。このため、有料試飲の担当者に最良のタイミングを確認するようにしましょう。

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